人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

大阪情報サロン

osakasalon.exblog.jp

上町の美学を求めて【四天王寺って、やっぱりすごい】

湯屋方丈の廊下に腰を下ろして庭園を眺める。訪れる人も少ない。何という美しい庭園だろう。
木々の緑と枯山水は美しく手入れされている・・・
「こんな静寂に包まれた庭園が大阪にあったのか~」・・・大阪の魅力を発見したような気分になってうれしくなった。

◆四天王寺の称号といえば「聖徳太子建立の日本最古の官寺」あるいは「日本仏法最初の大寺」ということになる。じっさい建立は法隆寺よりも古いのだが、私がこれまで聞くうわさとしては「伽藍はコンクリートだし、味もそっけもない」という意見がほとんどだった。
何だか「悔しいし、本当だろうか」というモヤモヤした気持ちは長く昔からあった。たびたび参拝に行くわけでもないが、時々気が向けば一心寺とは別に四天王寺も拝観には行ったものである。中心伽藍を見ながら、六時堂参拝、亀の池を見て休憩所に立ち寄って帰ることになる。
中心伽藍は何度も焼失し、今のは戦後再建されたコンクリート造だが、これが痛い。造形はともかく質感が伝わってこない感じはあった。境内もしっとりした美に欠けるきらいはあるかもしれない。
結局、信仰のお参りは非常に多いのだが、観光で来る人が少ないことになる。観光とは美を見るのが本来の姿である。
上町の美学を求めて【四天王寺って、やっぱりすごい】_e0161853_12465454.jpg

いまは梅雨入りの6月である。このところ2週間位前から雨か曇りの日が続いている。あんまり暑くないのがよい。どこか日本庭園に出かけてみる気になった。私は庭園鑑賞の好適シーズンは6月だと思っている。普段は庭に関心のない私が、自宅の庭を飽かずに眺めるのも決まって6月だ。新緑から2ヶ月あまり、木々の葉は十分に茂りながらも、活力に満ちた緑が風にそよぐ季節・・・

雨に濡れてしっとりした緑もいい。岩を流れる水を眺めたり、樹木の葉の水滴を飽かずに眺めたのも6月だった。庭園鑑賞は晴れて良し、曇って良し、雨でも良しと思っている。
私はどちらかといえば、庭園好きである。究極の日本庭園好き。しかも大阪の庭園専門だから大阪の日本庭園は行きつくしている。天王寺慶沢園、千里万博公園も大仙公園も。しかし待てよ、四天王寺「本坊庭園」はいつも気になりながら、行ってないことに気付いた。「よし、今日は四天王寺本坊庭園に行ってみよう」決まりである。
上町の美学を求めて【四天王寺って、やっぱりすごい】_e0161853_1256662.jpg

上町の美学を求めて【四天王寺って、やっぱりすごい】_e0161853_12542512.jpg

上町の美学を求めて【四天王寺って、やっぱりすごい】_e0161853_12564241.jpg

本坊庭園を見て驚いた。なんと、素晴らしい庭園である。
もしかして期待を裏切るのではないか。そう疑う心もどこかにあった。その疑いは見事にこっぱ微塵に砕かれた。同時に今まで行ってなかったのを恥じた。本坊や客殿もじつに堂々と立派。重要文化財の「五智光院」「湯屋方丈」も素晴らしい。どちらも400年前の建築だから、四天王寺建立の古さにははるかに及ばないが、どうしてどうして、すごい庭園美、建築美である。
上町の美学を求めて【四天王寺って、やっぱりすごい】_e0161853_12584320.jpg

上町の美学を求めて【四天王寺って、やっぱりすごい】_e0161853_12592397.jpg

上町の美学を求めて【四天王寺って、やっぱりすごい】_e0161853_1301166.jpg

そうか~、「大阪のすごい物はいつも影に隠れているということか」・・・
じっさい目立ちにくいのもあるのと、四天王寺の規模が大きくて、境内を歩くだけで疲れてしまう。それでざっと見て帰ってしまうようだ。これでわかった。「四天王寺は味もそっけもない」などというのは「本坊庭園」を誰も見ていないのである。本坊庭園を知っていれば、そんな感想が出るはずはない・・・。
とんだ灯台下暗し、これは絶対におすすめの第一級の観光名所だ。それだけの価値十分と言っておこう。
※写真は沢山撮影してきたが、容量が大きくて載せきれない。興味のある方は「大阪情報サロン掲示板」(いちばん左)にアップしているのでご覧いただければと思う。
本坊庭園の写真一枚
では、なぜ庭園を見たくなったのか、先日「梅田北ヤード二期」に関しての報道があり、高層ビルでない方がいいだのと、またまた公園論が沸いてきたようなのだ。
上町の美学を求めて【四天王寺って、やっぱりすごい】_e0161853_132048.jpg

上町の美学を求めて【四天王寺って、やっぱりすごい】_e0161853_1322646.jpg

それで何かヒントになるのではないか、そう思っての庭園鑑賞だったわけである。結論は高層ビル林立が前提ながら、いちばん奥を高層高級ホテルにして、その前庭とロビーの奥は小さくても日本庭園としたい。あとは街路樹と公開緑地で十分だと思うけど。いかがだろう。
正直いえば、以前から言ってるように私は北ヤードに公園は反対である。公園だけでなく高層マンションも反対である。梅田も少し離れるとマンションもあるのだが、正味の駅北口だからオフィスビルの聖地にしてほしかった。余計なことは考えず高層ビルを立てまくってほしい。ここにきて大阪市長がこうした発言をするのは、何かおかしい。裏があるのではないか。経済同友会はじめ関経連の下妻会長もいつのころからか公園に転換したようだし。心配になってくるよね。政治的なへんな匂い。大阪をしょぼくしたい得たいの知れない勢力とつながってなければいいのですが・・・。
※拝観料「本坊庭園」、大人300円。中心伽藍300円、宝物館が200円、以上が有料拝観でその他は無料
by osaka-salon2 | 2009-06-13 13:19 | 史跡探訪
<< 【大阪15km圏】神戸・西宮・... 梅田、日本一の百貨店街 新宿を... >>