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大阪情報サロン

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美しき銀河を目指して!

『札幌-大阪:夜間飛行の思い出』

伊丹空港へ着陸する飛行機から大阪の街を見るのは何度経験しても感動する。見ているだけで大阪の街は凄いけれども、その光景を乗客も乗組員も皆が見ているとなおのことである。
何度も体験したが、伊丹空港への着陸にはいつもドキドキさせられるのがつねである。
関西国際空港が開港して間もないころであったが、一度北海道旅行からの帰りに、札幌・新千歳空港から伊丹空港へ飛んだことがあった。

北の大地を発つころにはすでに夕闇が迫っていた。晩夏のころであったと記憶する。その日は低気圧の接近もあって風が強くて不安な感じもあった。機体はANAのB-747ジャンボ機であった。なんとか予定通り飛び立ってくれた。以後の便は欠航になった。
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飛行機は暗雲が垂れ込める中を順調に上昇を続けて、シートベルトが解除されるころには雲を突き抜けて雲海の上に出た。ちょうど太陽が水平線に沈むようで、少しの間、横から陽が差して機内を赤く染めていたが、すぐに太陽は没したようだ。
この天候では下界は見えないだろうと思っていたが、しばらく飛行すると嵐が過ぎ去ったのか雲も切れて、漆黒の闇の中の夜間飛行になった。ほとんど灯りは見えないが北海道を離れて海上を飛んでいるらしかった。機内の中ほどには飛行コースが表示されていた。それによると日本海を陸地に沿って南下するコースになっている。秋田沖から佐渡島、能登半島あたりから大阪を目指すらしい。

闇の中にときどき灯りが見えても、高度が高くてそれが何か分かるはずもなく、やや退屈な感じであった。飛行時間はおよそ2時間である。そろそろ能登半島あたりと思えるころ、私は客室乗務員のすぐ後ろに空席があったので、左側の窓側に座って窓から外を見ることにした。やはり、ほとんど何も見えなかったが、見えるまで頑張り通すことにしたのだ。
ある希望を持っていたのである。それはどこから大阪が見えるのか?そんなたくらみであった。どこから富士山が見えるかに似ている。「伊勢からは富士が見えるという」あるいは「大台ケ原からも富士山の見える場所があるらしい」というのに似ている。

窓に頭をつけて見続けること10数分くらいだろうか、左前方にぼんやりと星雲のような灯りが確認できた。時間の経過から能登半島から福井あたりを飛行しているはずであった。その星雲は大きさからは中規模の都市のように見えていたが、目を離さず見続けると次第に大きくなってくるのが分かった。周囲を見ても星雲はほかに見当たらなかった。
飛行コースからは大阪の手前には京都もあるはずだが、その巨大星雲以外には灯りすらもなかった。徐々に大きくなってくるのをしばらく見続けて、これはまぎれもなく大阪だと確信した。
大阪の市街地は他の都市とは比較にならないくらい大きい。10分20分見続けると途方もない大きさに変化してきたのである。

銀河系星雲を遠くから見ていたのが、次第に近くなってくるようであった。しばらくすると、銀河系に突入するように窓外いっぱいに街の灯りは広がった。「凄い、やはり大阪だ~!」・・・園部か能勢か北摂の山を越えたようだ。徐々に高度を下げていて山の稜線や地形も見える。
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「川西あたりだろうか」・・・進路はそのまま大阪湾に向って行った。左に大阪平野全体が広がった。とうとう銀河系の中に入った。凄い光の海である。宝塚・西宮から大阪湾に入り淡路島の東寄りを南下した。「ん、ん~?」・・・「どこに行くんだ??」・・・
洲本付近まできて、関空を通り過ぎて紀淡海峡手前で左に大きく旋回したのである。Uターンである。今度は機首を北北東に向けて大阪湾岸に沿って北上を始めた。しかも内陸の通常のコースじゃない。湾岸沿いである。低気圧の余波か風が強いから、これはもしかするよ。

通常のコースは八尾から北西に伊丹の滑走路に一直線に進むが、風向きによって、たまに逆向きに着陸する場合もあるのだ。それは一年に数回あるかないか、遭遇することは少ない。海岸に沿って北上し泉大津・堺から、すぐさま南港を右側に海側から見て進む・・・。
飛行コースはグルグル回る。風でかなり上下にゆれる。「凄いの何の・・・」、目が回るような感じだ。「この感じ、分かるだろうか・・・」、機体が右に左に旋回を繰り返す度に、大きく傾斜した飛行機の窓からは、地上が窓と平行になったり、窓が上空を向いたり、加えてエアポケットの上下動とくる。おとなしく座ってればどうということもないのだが、機内から反対側の窓の外を見ていると目が回るのである。
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夜間の場合は正確な目標は見付けにくいが、大きな地形とビルの灯りで判る。淀川にいくつもの橋の照明があるのが見えた。尼崎から西宮へ飛行を続け、再び大きく右旋回となった。もう間違いない。逆コースの着陸である。またもや右側の窓に地上を見ながら、宝塚から伊丹の滑走路に一気に高度を落として着陸する。通常の着陸でも伊丹空港へは興奮するが、こんな絶叫マシーンのような着陸は初めてであった。こうして一生忘れ得ない飛行のドラマは終わった。
じつに美しくもドラマティックな夜間飛行であった。そして、銀河の如き大阪は美しかった。

◆夜景写真は梅田スカイビルからの大阪の夜景で、飛行機からの写真ではありません。イメージです。
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by osaka-salon2 | 2009-02-08 23:23 | 大阪の景観
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