人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

大阪情報サロン

osakasalon.exblog.jp

『阪神なんば線 明日開業!』阪神・近鉄相互直通運転へ

◆いよいよ阪神なんば線開業まで明日に迫りました。『神戸・難波・奈良:つながる』のキャッチコピーですが、もうずい分前から駅のポスターにも見かけました。直前の状況はどうなんでしょうね。
何だか歴史的な出来事に遭遇するようでワクワクします。
去年の10月には京阪中之島線の開業でしたが、今回はご存知のように私鉄同士の相互直通運転となります。建設主体は西大阪高速鉄道㈱で、運営主体は阪神電気鉄道㈱となっています。正式な事業名称は「西大阪延伸線」です。阪神西九条駅と近鉄難波駅とを結ぶ建設延長3.4km、営業キロ3.8kmの路線です。
『阪神なんば線 明日開業!』阪神・近鉄相互直通運転へ_e0161853_9511012.jpg

◆大阪で初めての都心貫通の相互直通運転ですから、他の私鉄へのよい刺激になるような気がします。大阪府民としても、これまでの相互乗り入れにはかなり不満も大きかったのです。
大阪における現状の相互乗り入れは、北大阪急行と市交御堂筋線、近鉄けいはんな線と市交中央線、泉北高速鉄道と南海高野線、阪急千里線・京都線と市交堺筋線といったところですが、どれもこれも費用対効果はイマイチ。事業主体が違うだけの末端延長が多かったです。ところが今回はわずか3.4kmの新線を造って神戸・難波・奈良がつながるのですからね。事業費もたしか700億円とびっくりするほど少ないですね。都心部に新規路線を造って既設郊外路線をつなぐのが効果が大きいのはバカでも分かるはずなんですがね。

◆これまで、なぜ不満の多い相互乗り入れの経過をたどったのか、ひとつは大阪市の頭が硬い感じがします。市営モンロー主義と言われる「市内交通市営主義」があるのと、大阪市の発想が矮小化する要因として、大阪市の市域の狭さもどうしてもあります。大阪市営地下鉄は他の政令市と違って府下の市域外にも路線を造っていますが、極めて不十分だったのです。都市圏の発想ができないので、郊外への拡大にも限界がありますね。
それに都心部においては狭い市域ですから私鉄が縦横に路線を拡大すると、市営地下鉄の領域を取られるような発想になるのです。今回の阪神なんば線をよい先例にして今後の鉄道新線事業をやってもらいたいものです。
◆ダイヤは阪神三宮-近鉄奈良直通の快速急行は平日・休日デイタイム毎時3本、尼崎までの阪神なんば線内は普通が3本の都合6本。平日朝ラッシュ時は快速急行が多くなるのと、休日デイタイムは普通(準急・区間準急含む)が6本の運転と多くなります。運転系統を大別すると阪神三宮-近鉄奈良間の快速急行、尼崎-瓢箪山・石切・東生駒・西大寺・奈良間の普通・準急となります。阪神なんば線内はほとんど尼崎-近鉄奈良線内間の普通です。近鉄の始発駅が難波から尼崎まで延長された感じです。
阪神なんば線なのに実質近鉄難波線の延伸感もあって、近鉄にとっては費用をかけずにお得なビジネスチャンスです。何かとチカラの入り方がやけに大きかったのもうなづけます。新規開業区間への乗り入れが各駅停車主体となったのは理想的な運転系統です。三宮-奈良間の快速急行はあくまで看板と考えましょう。
『阪神なんば線 明日開業!』阪神・近鉄相互直通運転へ_e0161853_954515.jpg

『阪神なんば線 明日開業!』阪神・近鉄相互直通運転へ_e0161853_9543094.jpg
※写真は阪神1000系と近鉄シリーズ21 9820系阪神乗り入れ主力車両

◆「神戸・難波・奈良、つながる」のコピーもけっこうなことと思いますが、実際には尼崎・西宮・芦屋・神戸と難波・上本町がつながり、東大阪・生駒と西九条・尼崎・甲子園がつながるのが大きい。実際の交流の太いパイプは末端よりも周辺で大きくなり、運賃との兼ね合いもありますが他の路線との接続による利便性によって、次第に大きな効果となってくると思います。とくに西九条の拠点性は難波・尼崎相方の連絡とユニバーサル・スタジオもあって飛躍的に大きくなってくると予想されます。半年一年後にどうなるのか期待したいものです。
それにしても、近鉄の難波駅、上本町駅の駅名改称はいただけません。慶賀に水をさすような愚行です。
by osaka-salon2 | 2009-03-19 10:10 | 鉄道
<< 阪神なんば線 開業!めでたく初... 『天下の南北軸大動脈・新御堂筋... >>