◆最近は携帯電話等の普及によって、昔ほど意識されることもなくなってきたのですが、固定電話の市外局番は地理、地域、都市などを考えるうえで重要な指標にもなり興味深いものがあります。番号の割当てが偏向なく、体系的にならざるを得ない性質のものです。
東京の03・大阪の06は、上2桁を占有している市外局番です。それに市内局番は4桁、「6123-1234」のようになりますから、横浜や名古屋とキャパシティが違いますね。
これは大阪自慢にもなりうるのですが、なにせ「06」は大阪MAだけに割当てられた数字ですから、大阪の重要度を表しています。たとえば「08」は中国・四国地方全域共通です。同じように「07」だと近畿北陸になっています。「京都075」とか「神戸078」とかですね。京都075には長岡京市や向日市なども含まれて広いです。大阪府三島郡島本町も京都075のMA地域で府県境を越境しています。京都市の面積自体が大阪市の4倍くらいと非常に広いうえに、さらに市域をかなり越えています。
仕事していても、昔だと市外局番だけでなく市内局番だけでも、どのへんからの得意先からか判ったものでした。
◆ウィキペディアの「日本の市外局番」の解説は以下のようになっています。
『電話加入区域・単位料金区域 (Message Area,MA) ・電気通信事業者への割り当てを決める電話番号計画は、従来NTTグループの地域系会社(NTT東日本・西日本)によって決められていたが、新規事業者が増えてきた事により、1995年4月1日に管理が総務省に移管された。
市外局番は1~5桁の数字で、日本国内でダイヤルする際にはその前に「市外通話である事を示す0」(市外識別番号)が付けられる。日本国外からの通話の場合は市外識別番号を省略する。本来、市外識別番号は市外局番には含まれないが、一般人の中には市外局番の一部であると誤認している者が多い。』
単位料金区域(MA)が市外局番の一つの単位です。最初の「0」は市外識別番号で、北海道の1から順に下って、南東北の2、東京の3、南関東の4、中部東海の5、大阪の6、近畿北陸の7、あとは中国・四国が8、九州・沖縄が9となっています。市外識別番号の「0」も加えて「大阪06」「東京03」などと呼ぶのが一般的と思われます。
NTT東日本とNTT西日本は2006年12月27日にユニバーサルサービスに関する情報開示としてMAごとの回線数を公表しました。回線数の多いMAを挙げると以下のようになります。
1:03 (東京都特別区(23区)・東京MA) 4,876,185回線
2:06 (大阪府大阪市・大阪MA) 2,200,274回線
3:045 (神奈川県横浜市・横浜MA) 1,478,394回線
4:052 (愛知県名古屋市・名古屋MA) 1,121,462回線
5:011 (200~399、500~899)(北海道札幌市・札幌MA) 836,058回線
6:092 (320~339を除く)(福岡県福岡市・福岡MA) 835,180回線
7:078 (兵庫県神戸市・神戸MA) 798,202回線
8:075 (京都府京都市・京都MA) 759,246回線
9:048 (600~899)(埼玉県さいたま市・浦和MA) 682,120回線
10:044 (神奈川県川崎市・川崎MA) 561,645回線
◆上位10位までの回線数です。気になる大阪の位置は東京の半分未満ですね。都市規模の指標は最も一般的なのは定住夜間人口ですが、大阪市域があまりに狭すぎて現実と乖離がありすぎるのですが、この電話回線数だとかなり是正された数字にはなっていると思います。それでも是正がまだ足りない感じはあります。おそらく「大阪06」の面積を数値化すると、大阪市域222.3k㎡に加えて尼崎市49.8・豊中市36.4・吹田市36.1・守口市12.7・門真市12.3・東大阪市の一部などを入れて、せいぜい400k㎡弱あたりかなと思います。
「東京03」は少なくとも23区の620k㎡越えに狛江市とかも含まれますし、大阪06の東側は旧布施市あたりまでですから、東京並みの面積にするには西は芦屋市、北は箕面市、東は生駒市、南は堺市の北側半分あたりまで入れないと追い付きません。ネットでは評価の低い横浜が名古屋より上にきているのも注目されます。
それと福岡市がかなりの規模なのが分かりました。この数字では札幌と並んでいますが、実質福岡が上にくるように思います。何しろ札幌市の面積は大阪の約5倍ありますからね。非常に郊外まで含んだ数字と考えて大きな間違いはないと思います。札幌は南区のほとんどが山岳地域ですが、だからと言って人口密度をいうのに人口集中地区(DID)人口とか都合のよい数字を持ち出すのはどうかと思います。
◆あと、大阪06以外の大阪府下のMAがいくつあるのか、よく調べていないので不明な点が多いですが、大阪北部・東部あたりは市外局番の3桁化が完了し、市外局番072となったようです。しかし違うMA地域にかける場合は市外局番072からダイヤルする必要があるのと、当然、市外通話扱いです。「池田MA」「茨木MA」「寝屋川MA」「八尾MA」「堺MA」「岸和田貝塚MA」などですが・・・
「八尾MA」には藤井寺市、羽曳野市、柏原市を含み、「寝屋川MA」には枚方市、交野市、四條畷市、大東市、門真市の一部を含みます。2006年5月28日より「八尾MA」は市外局番が0729から072に変更されましたが、同じ市外局番となった堺、池田、茨木、岸和田貝塚の各MA及び「寝屋川MA」との通話には市外局番が必要です。0721の富田林・河内長野にもMAがあったような気がしますが、とりあえず不明です。
※追記:やはり「富田林MA」がありました。072に「1」、他に「和泉MA」は「5」、「6」は茨木、「7」は池田、「9」が八尾MAです。「2」と「30~38」が堺MA、「39」と「8」が寝屋川MAとなっています。結局、大阪府下は072ということでした。